カテゴリ:ウクレレ
ウクレレ+「弦」
・ウクレレに触って60有余年、こだわり出して40年。今まで培った知恵やノウハウを記録しておくことにしました。中でも世に"演奏のメソッド"はたくさんありますが、ウクレレの良い音をひたすら追求するハード情報は少ないです。そこで弦からプリアンプまで、ウクレレをベストサウンドにするためのあれやこれを記述します。ただしかなり個人的なこだわり情報であり、一般的入門用ではないので悪しからず。
・楽器のサウンドは1:トーン(音色)、2:ボリューム(音量)、3:サステイン(響き、残響)の3要素と言われますが、"弦"はその全てに関わってきます。まず音色ですが、これは好みが分かれます。弦の代表的素材がナイロン、ナイルガット、フロロカーボン。昔からあるナイロンは基準ではあります。個人的にはマホガニー材のウクレレに合うと思っていて、マーチンのテナー(マホガニー)はこれです。
・最近登場の釣り糸で有名なフロロカーボン(フッ素系樹脂)は、密度が高く比重の大きい弦(水によく沈みます)なのでチューニングがより正確になります。ナイロンより細めであまり伸びず、高音が得意です。弦長(スケール)が短く音程が不安定になりがちなソプラノ向きで、ビンテージウクレレ(マーチン3M)で使用。
・一番多用しているのはアクイーラのナイルガットで、コアウッドのウクレレは全てこれを使用しています。コロコロ、コロンというウクレレらしい音ではなく、きらびやかな音色ですが少し癖があって嫌いな人もいます。ただし音量、残響はピカ一で、これが採用の理由です。テンションは強めで、張った後やたら伸びるので落ち着くまで1か月ぐらいかかります。ライブがある場合は早めに。弦はフレットと当たる部分が傷むので、時々弦の裏を触ってザラザラが大きくなったら交換です。アクイーラは早めに傷みます。
・ウクレレはソプラノ、コンサート、テナーが同じCチューニングです。なので弦長が長くなるにつれてテンションが強くなり、弦を押さえる力も必要になります。そこでマーチンのテナーにはCではなくDチューニングの弦を付けて通常のCチューニングをすると指が痛くないです。GHS Hawaiian D-Tuning 10という弦。志茂ウクレレの8弦グランドコンサートにもこれを。複弦でも楽です。
・とまあ、いろいろありますが、音の好みは様々で自分好みを見つけるしかありません。
・次のウクレレ+はLowG弦について。
by 2025.01.28