カテゴリ:日用品
製造を中止してしまった秀逸な日用品

・道具類が安物かマニアックな高級品かの2択になっていて、いわゆるふつうの実用品なるものが町から消えつつあります。ねじ回し、ノコギリ、スコップ、ペンチなどなど。昔は金物屋、あるいは古道具屋へ行けば手に入った高級ではないけれども安物でもない品々。
・今、それをカバーしているのが百均やローコストストア。一応使えるので"ま、いいか"なんですが、驚くべき安さでそれらが普及品に入れ替わりました。言ってみれば"悪貨(安価)は良貨(良価)を駆逐する"なんでしょうか。
・困るのは、使えるけれども、コストダウンで性能を落としている点で、ちょい我慢を強いられます。40年以上使ってきて、少々遣れて来たので買い替えようとしたいくつかの道具が製造が中止されていて手に入りません。

・日常的にちょくちょく使うメジャーとルーペ、ドライバーセットです。それぞれ実によくできていて手放せないふつうの道具です。メジャーはmoboというフランス製の2m測りで、指で強く挟むとスルスルと金属のメジャーが伸びていきます。収納は丸いシリンダーに。ストッパーのプラスチック以外金属なので壊れません。これを超える物差しは未だなし。この会社、スタンレーに吸収されたようです。

・CRAFTSMAN(USA)のミニドライバーセット。会社はまだありますが、これは作ってません。メガネの緩んだねじ止めをはじめマイナスは極小から小まで4種、+は小が1本(メガネヒンジに)とちょっとした小物の修理に重宝します。

・STEINERのルーペ。市場にはいろんなルーペ、拡大鏡がありますが、これは一枚レンズではなく2枚の合わせレンズ、しかも他のプラスチック製と違いガラス製で、拡大しかつ周辺部まで歪みがありません、傑作です。レンズは外せるのでクリーニングが可能。
・ナイフ、万年筆、オーディオの一部などのマニアックなものは、生き延びてますが、手入れしながら長く使う"高級品ではないけれども安物でもない品々"は生き残れないようです。ノコギリの目立てを頼もうとしたら「今は大工も替え刃です」といわれ、がっくりきた今日この頃であります。
次号2月14日金曜日
by 2025.02.10