クールシニアのウェブマガジン

毎週月・金曜日発行

クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

Edit

エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:日用品 ミュージック 

洗濯バサミにおける民具学的考察

・これからの季節、野外で演奏することがあります。その場合、楽譜を譜面台にクリップで留めて、風で飛ばないようにします。あれやこれや使いました。というわけで洗濯バサミには詳しいです。最初の洗濯バサミは木の股のようなもので衣類をロープに挟んで摩擦式で留めていたと、記憶しています。

・バネを使ったものは19世紀半ばに登場したようです。以来基本はほとんど変わっていません。木やアルミからプラスティックになったぐらいでしょうか。しかしながらバネをいろいろ工夫しています。こういう単純な道具でも人類は知恵を絞っていて興味深いです。民具学の第一歩です。おかげで使いもしない洗濯バサミがたくさん集まってしまいました。

・昔のアルミ製洗濯バサミ(上段)とプラスティックの今(下段)の新旧比較。65歳以上のオートバイ好きならやったことがあると思いますが、このアルミの洗濯バサミを空冷エンジンのフィンに付けて、出来の悪い当時の2サイクルエンジンの焼き付きを防いだのです(たいした効果はなかったと思いますが)。

・ほとんどがコイルバネを使って挟むのですが、ボディー全体をバネにしているものがあります。特に左のフランス製は優れていてロープを挟めるようになっています。右のように通す必要がありません。

・専門用途の洗濯バサミがあります。左はドイツのK&M製楽譜専用(小さすぎます。K&Mはマイクスタンドの業界標準として有名)。中央は写真撮影用で、これで白紙やトレーシングペーパーを留めます。そのためバネが強力で二つ付いています。右は電気工事などの時の仮止め用クランプ。どれも使いましたが、要するに短すぎました。楽譜に届きません。

・超長い洗濯バサミ(?)がありました。これなら譜面台に楽譜をキッチリ押さえられます。一応ミルクボックス用とかなんとか目的があるようですが、スプーン付きからフォーク付きまで、バラエティあり過ぎで意味不明です。clippeというイタリアIPAC社製で日本人の富田一彦氏がデザイン。雑貨のセレクトショップでたまに見かけますが、東京・青山のインテリアで知られるセレクトショップSEMPREに全モデルがあります。何に使うのだろうと頭を捻るのもいいかも。

http://www.detail.co.jp/item_detail.php?id=532&c=16

次号5月10日金曜日

ページtopへ