クールシニアのウェブマガジン

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クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:エレクトロニクス 

ついにここまできたミラーレス・カメラ:1

・予想通りレンズ交換式カメラの市場は、ミラーレス・カメラが主流になってきました。新製品の種類、台数、売上など、日本でもあの保守的なヨーロッパでも伸びています。

・道具の性能を語るとき気をつけないといけないのは、高性能イコール高満足度ではないということ。車の場合でも、時速100kmまで3秒とかの加速力を誇るスポーツモデルは、乗り心地や運転、乗り降りのしやすさ、取り回しの快適性は犠牲にされます。

・カメラも同じで、大きくプリントする人や4K画面で鑑賞する人は極めて少数で、今や映像メディアはタブレットやファブレット(大画面のスマートフォン)です。

・なので大型一眼レフからコンパクトなミラーレスへの流れは必然といえます。さらにいえば性能・機能もフルサイズに追いつくことは、35mm判カメラの歴史をみればわかります(フィルムやレンズ性能の進歩、機動性でブローニー判を凌駕)。

・このトレンドの中、パナソニックが出したLUMIX GM5は常識を覆す世界最小のミラーレスです。大きさが幅約10cm、重さも標準ズーム付きでわずか281g、しかもファインダーが組み込まれています。

・センサーはプロも使用するマイクロフォーサーズ規格なので、レンズの多様性はミラーレス最多。標準ズームは超広角24mm(35mm換算・以下同)からなので、このカメラ専用の沈胴式中望遠70mm~200mm、それに接写用90mm、超望遠の400mmの3本を持っても、ショルダーバッグやデイパックに楽々収納できます。

・これなら人物スナップから建物、風景、花や昆虫の接写、鉄道、野鳥の撮影まですべてをカバーでき、あらゆるシャッターチャンスに対応できます。まさにアンリ・カルティエ・ブレッソン(決定的瞬間の写真家)もうらやむスナップカメラかもしれません。

・もう一つ、個人的な感想ですが、デザインがレンズ交換式カメラで一番シンプルで美しい。パナソニックはライカとコラボレーションしているのですが、ドイツのバウハウス・デザインを彷彿させるフラットな線と面は、その影響かもしれません。

 

・左がLUMIX GM5ですが、オリンパスEM-1(中)、フジフィルムX-T1(右)、それにソニーα7Ⅱが高性能ミラーレスの御三家。センサーサイズが小さい方からEM-1(m3/4)、XT-1(APS-C)、α7Ⅱ(フルサイズ)ですが、問題はセンサーサイズが大きくなるにつれてレンズが大きくなることです。

・ズームでも単眼でも上質の明るいレンズ(例えばF2.8など)はどうしても大きく太くなります。ミラーレスでボディーはコンパクトになってもレンズが大きくては意味がありません。その意味でAPS-Cよりm3/4の方がコンパクトになるのですが、はたしてどこへ収斂していくのか。

 

・LUMIX GM5、RetinaディスプレーのiPad mini、それにSDカードからの読み込み用カメラリーダーが、ちょっと凝った映像(動画を含む)を楽しむ道具。プリントは不要になりました。フェースブックやツイッター、ラインなどへの簡便映像はスマートフォンです。

 

・m3/4の利点はレンズの豊富さ。左は接写用LEICA DG MACRO-ELMARIT F2.8 90mm、GM5の右は超広角LUMIX G VARIO F4 14mm-28mm 、右端は超望遠LUMIX G VARIO F4-5.6 90mm-400mm。いずれもオリンパス用に5年前に購入したもの(当時オリンパスに超広角やマクロレンズがありませんでした。

・ということはパナソニックが、GM5をみても一歩先を歩いているのかもしれません)。フィルター径をみると、ちょうどフィルム時代の35mm判レンズと同じぐらいなので、m3/4レンズが昔の一眼レフサイズのような感じです(続く)。

次号1月23日金曜日

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