カテゴリ:エレクトロニクス メディア 絶滅倶楽部
スマートフォン生誕10年、次の10年は?
・iPhoneが登場して今年で10年です。ライフスタイルが大きく変わりつつあります。街ゆく人々を見ればわかります。2007年にアメリカで発売されたものを取り寄せて手にしたときのショックを今でも鮮明に覚えています。出版業界はもちろんあらゆる業界で大変なことが始まると思いました。
・あの頃「電話、電子手帳、音楽プレーヤーなど機能を積み重ねた商品は売れない」と言った評論家がいましたが、今なおスマートフォンの影響力を認めない人がいて驚きます。
・新聞や雑誌はストックの情報ですが(テレビのライブ放送以外)、常時更新するフロー情報へ。マスから個より個から個へ(マスメディアからSNSへ)。そして情報は一つ一つ持たなくなる(新聞、雑誌、電波、CD、辞書、地図などなど)。あらゆるものがこのiPhoneに呑み込まれています。
・スマートフォンが吸収した、あるいはしつつある道具や機器をあげてみます。電子手帳、電卓、電子辞書、音楽プレーヤー、コンパクトデジタルカメラ、ビデオカメラ、タイマー、目覚まし時計、レコーダー、フラッシュライト、万歩計、ルーペ、水平器、それに出版関係では地図、ガイドブック、時刻表、百科事典、各種辞書、図鑑などなど。
・天気予報も道路情報もリアルタイムで最新情報に更新されるので、カーナビゲーションも時間の問題です(更新されない車のカーナビより詳細で正確)。財布も不要になりそうです。
・整理すれば、1: フロー 2: 1-2-1 3: クラウドとなります。
・とまあ、挙げればキリがなく、スマートフォンの能力がアップデートすると、影響を受ける業界はまだまだ増え続けます。
・音楽でも、調律のチューナーやメトロノーム、楽譜、リズムボックスなどに加えて、いよいよ専門分野にまで手を延ばしつつあります。音響PAの世界で人気ブランドのMACKIEがiPhoneやiPadをコントロールセンターにしたミキサーを発売しました。
・さてどこまでこれらのスマートメディアは勢力を広げるのでしょうか。そして、呑み込まれる業界はどういう対策を考えているのでしょうか?
・政治経済では変革しない日本を失われた20年といいますが、iPhoneが出現して10年、さてこの先は?
・最近、ビジネス書でベストセラーリストに入っている「新・所得倍増論」デービッド・アトキンソン著 東洋経済新報社刊を読みました。日本の生産性:先進国最下位(世界27位)、一人あたり輸出額:世界44位、一人あたり製造業生産額:G7平均以下、一人あたりノーベル賞受賞数:世界第39位‥落ちぶれた原因は企業経営者が、変化に抵抗し仕組みを変えたがらないから、というのですが。政治も昭和に戻したがっていますし。
次号1月6日金曜日
by 2017.01.02