カテゴリ:エレクトロニクス メディア
この人のお陰で今の電化生活があるらしい
・テスラモーターズという電気自動車のメーカーがあります(一時期トヨタも出資)。あのテスラという名前は何かというとニコラ・テスラという人の名前だそうです。知らなかったのですが、クロアチア出身の世界的天才科学者らしいです。
・オバマ大統領の"アメリカは移民が作った国"という2011年の演説の中で、次の4人をあげています。アルベルト・アインシュタイン、ニコラ・テスラ、アンドルー・カーネギー(USスチール)、セルゲイ・ブリン(グーグル)。他の3人は知っていますが、ニコラ・テスラって誰?となります。
・簡単にいえば、エジソンがもっとも恐れたライバルということになります。直流のエジソンVS交流のテスラの戦い。最後にテスラが勝利するのですが、現在の電化生活の基となっている交流はテスラのおかげです。
・日本でも東京電灯会社(現在の東京電力)が初めにエジソンの直流を使い(最後は送電に優れる交流になる)、関西では大阪電灯会社(今の関西電力)がテスラ方式の交流を採用したので、関東50サイクル関西60サイクル(現在はヘルツ)と違ってしまいました。
・テスラの功績は交流電送だけでなく、無線技術もあります。日露戦争でのバルチック艦隊発見の打電「敵鑑見ユ!」もテスラの技術をベースに作った日本独自の三六式無線機なんだそうです。
・これ以外にもラジオ、ネオンサイン、蛍光灯、電子レンジ、リモコン、ラジオコントロール(無線操縦)、ロボット技術、自然エネルギー利用、さらに最近実用化が可能になってきた無線送電(電気自動車やスマホのワイアレス充電)もあります、それも100年も前に。
・晩年はマッドサイエンティスト扱いされ(あのオウム真理教が殺人光線を調べにベオグラードのテスラ博物館に行ったらしい)たのですが、どうもニコラ・テスラという人は、現世を生きたビジネスマンのエジソンなどとは違い、未来しか見ていなかったようです。「現在は彼らのものだが、私が心血注いだ未来は私のものだ」(ニコラ・テスラ)。
・「知られざる天才 ニコラ・テスラ」平凡社新書は実に興味深い一冊です。
次号7月5日月曜日
by 2015.07.02