カテゴリ:エレクトロニクス インテリア 日用品 絶滅倶楽部
月の光を月影という我が国の文化
・「日本のあかり博物館」という灯火・照明の道具を集めた博物館が、栗と北斎で知られる長野の小布施にあります。あかりの歴史を辿ると、菜種油の灯明、ろうそく、行灯、灯油ランプ、ガスライトそして電気の電球から、最新のLEDに至ります。
・"月影のいたらぬ里はなけれども 眺むる人の心にぞすむ"と詠んだのは浄土宗の法然上人。古来日本人は月の光を月影といい、直接光より、反射光や透過光に美を見出しています。
・障子越しの光や月影を愛でる‥‥この奥ゆかしさこそ日本人の美意識と指摘したのが「陰翳礼讃」という随筆を著した谷崎潤一郎ですが、「白熱球の電球より蝋燭の灯での食事こそ和食の器、漆器の美しさを際立たせる」と書きます。
青空文庫 谷崎潤一郎「陰翳礼讃」
https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/files/56642_59575.html
・エレキからLEDに至って、より明るくより省エネになりましたが、なにか足りない気がします。それはたぶん自然光にある"揺らぎ"がないからでは。人間は常に揺らいでいます。
・ろうそくや石油ランプにあった揺らぎ‥‥それをLEDで再現したというのがバルミューダのランタンです。高さ25cm×11cm、630g、生活防水。15180円。
https://www.balmuda.com/jp/lantern/
・スイッチを回すと暖色から白色へと無段階で変化していきますが、ゆっくり回していくと赤から橙色に変わるところで、光が瞬くようになります。かなり微妙で、もう少しろうそくのようにはっきり揺らいでくれるといいのですが(動画は以下のサイト)。
https://www.balmuda.com/jp/lantern/design
次号8月30日月曜日
by 2021.08.27