クールシニアのウェブマガジン

毎週月・金曜日発行

クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

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正常進化するアップルに対してGAFAのGAは?

・アップルはパソコンに始まり、ソフトウェア+ハイテク機器という遺伝子を引き継ぎながら発展しています。アイポッド→アイチューン→アイフォン→アイパッド→アイウォッチ→Apple Pay→beats買収(ヘッドホンのシェア世界一、写真右)。一方GAFAの中のGoogleやAmazonは機器に手を出してやや迷走、Microsoftもそうです。

・この違いは何か。多分アップルは遺伝子をバラまく多角化、Googleなどは遺伝子から離れた多様化なのでは、と思われます。

 

・ところで最近のビール大手の話。キリンはブラジルのビール事業を売却、協和発酵バイオを子会社化、サプリ大手のファンケルと業務提携と、ヘルスサイエンス事業の強化。一方アサヒは、欧州ビール会社4社、東欧5か国ビール事業に加えて、オーストラリア最大手を1兆円超で買収、と明らかに企業戦略が違います。

・キリンは収益源の多角化、アサヒは高収益を求める均質化の差と言っていいでしょう。効率を狙って集中(ファンドが要求するのはこれ)するのは、企業がよく陥る罠なのですが、果たして。

・というのも若者のアルコール離れというデータがあります。酒を飲まない20代が56.5%(2007年から2017年までの10年で15%増・厚労省調べ)で、一方ノンアルコール市場は2009年から2019年で4倍増(サントリー調べ)。

・キリンはビール一人勝ちの時代が長く、味覚の変化に対応できずトップから落ちた経験があるからでしょう。

 

・均質化・多角化・多様化という業態の中で、多様化は生命進化の歴史をみればわかるように、遺伝子の突然変異で起こります。求めてできることではありません。多様化を強引に進めて失敗した例はたくさんあります。

・ライザップの闇雲な買収やちょっと前のユニクロの野菜販売など(この時の責任者は今ファーストリテイリングの廉価ブランド・GU社長)。GUはユニクロの遺伝子継承そのものです。

 

・さてアップルはジョブズ亡き後、どう彼の遺伝子をバラまくのでしょうか。OS、アプリケーション、AppleCarPlay、音楽映像配信サービスなどのソフトウェア以外の次の手。が、iPhoneに変わるものは思いつきません。

・その前にiPadにパソコンでいうデスクトップを設けて、ファイル管理や編集(つまり写真や動画、音楽、文章をデスクトップに集めて一つにする)ができるようにして欲しい。

・やらない理由は、パソコンが不要になるからでしょう。ウォークマンをiPodに変身できなかったSONY(MDやCD、ソニーミュージックがあったため)の二の舞になる可能性があります。

・今すぐ欲しいのは、iPhoneで集めた情報をiPadで加工、編集、チェックして作品にすることなのですが。

次号3月13日金曜日

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