クールシニアのウェブマガジン

毎週月・金曜日発行

クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:インテリア 絶滅倶楽部 

古都にタイムスリップする町家ホテル

・京都の町家を使ったホテルが密かに流行っているようです。音楽仲間の知人から、一度使ってみてといわれていたので、泊まってみました。「旅館でもホテルでもない」とサイトにキャッチコピーがありますが、町家の説明のあとカードキーを渡されて、あとはお好きにというなんとも自由なシステムです。要するに一棟借り。

・利用した葵KYOTO STAYは、6か所ほどあるのですが、その中の鴨川亭に泊まりました。1階が8畳+リビング、バス・トイレ、2階は8畳+6畳の寝室になっていて、2階建て一軒まるまる使用できます。この鴨川亭は鴨川に面しているので一階にベランダのように出っ張ったいわゆる川床がついています。

・内装は、築百年以上の町家に相応しい花瓶、掛け軸、家具骨董の調度品が置かれていて、オーナーの趣味が見てとれます。インテリアはオールドタイムですが、音響機器は50インチの3DTV、ブルーレイ・プレイヤー、BOSEのウェーブミュージック・システム(アナログレコード用ターンテーブルも接続。久しぶりに45回転ドーナツ盤のジョニー・ティロットソン「涙くんさよなら」を聴いてしまいました)と今風で、高級ホテルより設備は秀れているかもしれません。

・夜は旬の鱧料理を食べに外へ出ましたが(これが旅館と違う良さで、好きなものを食べられます。しかも場所が場所なので歩いて行けます)、朝はルームサービスがわりのケータリングで朝食を頼みました。

・午後早めのチェックインも可能なので、窓辺のソファーに寝転んで、鴨川を眺めながらゆっくり本を読んだり、アナログレコードを聴いたりして古都・京都らしい過ごし方もできます。

・一棟借りなので、料金は4万円台ですが(鴨川亭)、4人泊まれるので(最大5)割れば一人1万円ちょっとになります。ベッドの部屋と畳ふとん部屋が別なので、二人の場合は分かれて眠ればシングル2部屋的な使い方もできます。もちろん畳で寝転んで過ごせます、ホテルではこうはいきません。

http://www.kyoto-stay.jp/

・1階の硝子戸を開けると川床。柵も手すりもなく目の前は鴨川。朝昼晩と眺めていたのですが、散歩、犬の散歩、デート、体操、サイクリングと様々な人が利用していてけっこう賑やかです。大きなアオサギが何頭も川に立ち込んで小魚を狙っていました。

・内装や雰囲気はレトロですが、設備は一級ホテルと同じで西洋バスタブ、シャワー、ウォシュレット、冷蔵庫などなどが標準なので、雰囲気はいいけれど不便な小さな老舗旅館より快適です。

・1階リビングにある水栓(セルフサービスのコーヒー、日本茶などに)は古い長持ちの中に。なお、エアコンだけではなく、寒い京都だけに床暖房もあります。

・これが入り口ですがまったく何も書いてないので、誰も気がつかないでしょう。カードキーで出入りしますが、11時のチェックアウトもカードキーを中に置いて誰にも会わず出立するシステムなので、客を選びますね。

次号6月14日金曜日

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