カテゴリ:インテリア ホビー
1強権力集中の世相に必要なパロディ精神
・大人のコミック誌「ビッグコミック」が誕生して約半世紀経ちます。創刊準備の部署ができたとき、編集者は編集長を入れて4人、入社して2年目の私もメンバーの一人でした。
・特徴は、従来の青年コミック誌とちがい「少年誌の人気漫画家が大人ものを描く」ということで、手塚治虫、石森章太郎、水木しげる、白土三平、さいとう・たかをというビッグな執筆陣の連載でした(後にちばてつやも参加します)。
・さらに、それまでの巻頭カラーページといえばヌードグラビアが当たり前だったのですが、ビッグコミックではパロディ企画が定番でした。パロディとは「広く知られている既成の作品を、その特徴を巧みにとらえて、滑稽化・風刺化の目的で作り変えたもの」(デジタル大辞泉)といいます。
・当時のロッキード事件をはじめ、政治、経済、社会問題まで様々な現象をパロディ化したことを覚えています。毎日が頭の体操でした。昨今の特定秘密保護法やテロ等準備罪、森・加計疑惑などは恰好のテーマですが、メディアは権力に阿って(おもねって)いるのか、忖度しているのか、ちっともパロディにしませんね。
・その点、フィギュアの世界はがんばっています。ガチャポンというコインを入れてハンドルを動かすと、カプセルに入ったフィギュアなどが出てくるあのカプセルトイというヤツです。
・中でもタカラトミーアーツの「パンダの穴」シリーズは秀逸。ロダンの考える人から「考えない人」やニューヨークの自由の女神で「自由すぎる女神」が面白いのですが、最新作は「カイカブリ」。
・少女がバイガイやオウムガイ、ミルガイをかぶったものですが、「買い被られるのも悪くない」というコピーが付いていますが、私たちは政治家を買い被っていましたね。ビッグコミックのパロディ精神は脈々と受け継がれているようです。
・このタカラトミーアーツの「パンダの穴」シリーズのガチャポンが置いてある店がなかなか見つかりません。新作が次から次ぎへ登場するので、売れないとすぐ交代するのでしょうか(なにやら出版業界の様です)。この新作カイカブリはバラエティー書店のヴィレッジヴァンガードにありました。アサメダマ、バイガイ、オウムガイ、ミルガイ、キリガイダマシの5種類で、何が出てくるかわからないのがガチャポンです。
次号7月14日金曜日
by 2017.07.10