クールシニアのウェブマガジン

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クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:野遊び メディア 

暗殺者の使う100万円の釣り竿

・自由時間が増えたら"フライフィッシング、ウクレレ・ライブ、それに海外ミステリー三昧"と決めていたのですが、コロナや体力の衰えで動けなくなり、できるのは読書だけです。

 

・その楽しみの翻訳ミステリーに、趣味のマニアックな情報が出てくると嬉しくなります。最近読んだC.J.ボックスの新刊「越境者」創元推理文庫にフライフィッシングの記述があります。

・主人公のワイオミング州猟区管理官、ジョー・ピケットが州辺境の渓流で、竿を振る一人のフライフィッシャーマンに出会います。

 

「1200ドルの竿と800ドルのビンテージのビクを使う釣り人は、漁業規則を完璧に守っているはずだ」と近づいたジョーが言うと、「あなたは竿について自分が思っているほどご存知ない」 と答え、これは1959年製のライル・ディッカーソンのモデル8013で、9750ドルしたのだ、こういう細い川ではそれだけの価値が充分ある、と自慢します。

 

・ディッカーソンといえば、バンブーフライロッドの名竿ですが、はたしてそんな価値があるのか知りたくて、フライの竹竿に詳しい阪東氏に電話して聞きました。

 

・8013とは、長さが8フィートで13は継手の径のサイズ、1つだけなので2本継ぎ。4番ラインの渓流用とのこと。手元の資料によると121本制作され、現存するのが32本、1959年製は円熟期の作品でオークションに出れば100万以上するだろうとのことです(1980年開催のオークションでは9900ドル)。

 

・このディッカーソンの竿を持っていた知人の湯川氏は、正確精密、よくできた実践的な竿で、言い換えると釣り人が何もしなくていい面白みのない竿なので手放したといってました(笑)。

 

・ジョーがビクに入っていた35cmを超える数匹のブラウントラウトを見て、キャッチ・アンド・リリースを考えたことはないのか? と問うと、「考えたことは一度もないな‥‥狙って完璧なフライを使って完璧なキャストで上げたあと、魚を放すのは僕には理解できません‥‥魚自体への侮辱です」と、キャッチ・アンド・ストマック(釣って食べる)の釣り人がよくいうセリフを口にします。まあ、殺し屋なので当然といえば当然。

 

・もう一冊、マイクル・コナリーの新刊「鬼火・上下」講談社文庫にはハワイ生まれでポリネシアとのハーフである女刑事レネイ・バラードが出てきます。彼女はバンで移動し、ほぼ毎日早朝、サーフボードで波に乗り、浜辺のテントで仮眠‥‥とう暮らしをしています。アウトドアファン垂涎のライフスタイルです。

 

・彼女は、レイトショーといわれる深夜勤務専門の刑事で、最近コナリーが登場させた実に魅力的な新キャラで、これが2作目。作品は3つの事件が重なり合って進行、ボッシュの異母弟であるミッキー・ハラー(車のリンカーンを事務所にしているので、リンカーン弁護士と呼ばれている)も登場し、それぞれ主人公キャラクターなので、ボッシュ、バラード、ハラーのオールスターキャストで展開する重厚かつ波乱のミステリー。コナリーは衰え知らずです。

次号8月9日月曜日

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