クールシニアのウェブマガジン

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クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:メディア 

11年ぶりの新刊はなんと心霊もの

・高野和明というミステリー作家がいます。デビュー作の「13階段」で江戸川乱歩賞を受賞し、「ジェノサイド」は"創薬、ウイルス、コンゴのジャングル、特殊部隊出身の傭兵"‥‥というスケールの大きな国際サスペンスで、ベストセラーになりました。この印象が強かったので、高野作品がその後出ていないかと時折新刊コーナーをチェックしていました。

 

・こういう作品、作家は日本では珍しく、あと思い浮かぶのは「傭兵代理店」の渡辺裕之、それにIT業界を扱った「クラウドナイン」とか香港を舞台にした「龍の契り」を書いた服部真澄ぐらいです。

 

・日本のミステリー作家は"犯罪の動機、舞台、ストーリーが小市民的"が好きなようで、時折読む江戸川乱歩賞、直木賞、本屋大賞もがっかりすることが多く、結局海外翻訳ミステリーを手にします。

 

・この高野和明が11年ぶり新刊を出しました。「踏切の幽霊」(文藝春秋・刊)という心霊モノ。東京・下北沢の踏切側に出没する長い髪の女の亡霊を、ブンヤ上がりの家庭女性誌の記者が取材します。

 

・ただ、前述の国産ミステリーの常道"不幸な生い立ち、風俗店、暴力団、悪徳政治家"というステレオタイプな展開です。それでも殺されたキャバクラの身元不明の若い女性が一体何者なのかを辿る謎解きは読ませます、著者の筆力です。

・願わくば今の時代を背景にした国際スケールのミステリー&サスペンスを次は是非書いてもらいたいです。

次号1月2日月曜日

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