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スペクタクル映画を滅ぼしたCG
・亡くなったコミック作家のさいとう・たかをさんが、その昔こんなことを言ってました。
「映画とコミックとの大きな違いは、ムービーは電車が脱線して駅に激突するだけで観客は釘づけになるが、コミックではどう描こうが驚いてくれない」
・ところが最近DVDリリースされた007の新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」やワイルド・スピードの「ジェット・ブレーク」を家で観ても、ちっともドキドキ、ハラハラしません。大画面の劇場なら違うかもしれませんが、"CG"のせいで、ホントの絵空事になってしまいました。「ノー・タイム・トゥ・ダイ」がアカデミー賞にノミネートされなかったのも宜(むべ)なるかな。
・迫力映像で引っ張る大スペクトラム映画が成り立たない時代になりつつあります。コロナ禍で加速したオンデマンドのホーム鑑賞がメインになれば、ストーリーテリング、つまり意外な展開とドンデン返しで惹きつけるものが主流になるでしょう。
・最近TSUTAYAでDVD、またはWOWWOW on lineでリリースされた海外TV「ランサム交渉人」は、それを地でいくドラマです。主人公のネゴシエーター、エリック・ボーモントは、人命最優先を掲げて銃、武力を使わず、交渉術のみの心理戦で勝負します。ボーモントに交渉情報を伝えるチームは、プロファイラー(声、表情で相手を分析)、背景捜査専門の元警官、ひらめき発想の新人アシスタントの3人。
・2017年からCBSで放映、全3シーズン。製作参加国がカナダ、アメリカ、フランス、ドイツなので、交渉の依頼主も世界に散らばり、様々な国の風景が楽しめます。
次号3月11日金曜日
by 2022.03.07