カテゴリ:メディア
名手グリシャムならこうでは?
・法廷ドラマのベストセラー作家、ジョン・グリシャムの新刊が出ました。ただし裁判ものではなく、帯に文芸ミステリーとあります。大学の図書館からF・スコット・フィッツジェラルド(代表作はグレート・ギャツビー=映画タイトルは華麗なるギャツビー)のオリジナル原稿が盗まれます。
・FBIが犯人を数名捕まえたものの、原稿は行方不明。稀覯本コレクターで女たらしの書店店主が怪しいと目をつけた保険会社は、執筆と金策に悩んでいる若い女性作家を送り込みます。
・コミック編集者を長く経験したものとして、エンディングはグリシャムならこうするだろうと想像していたら違いました。つまり、「ほとぼりが覚めたある日、送られてきた女性作家の新刊を手にして書店経営者は驚愕する、そこには‥‥」というオチを期待したのですが‥‥。
・『グレート・ギャッツビーを追え』四六判上製 1800円 中央公論社刊 を読んでいただければ、この意味がわかります。
・なお、翻訳は村上春樹氏で、その訳で気になった点が一つ。このセレブの書店店主は洒落者で、シアサッカーのジャケットにボウタイ、靴下を履かず"汚れたバックスキンの靴"、という訳が何か所か出てきますが、これは多分ダーティバックスのことだと思います。汚れているのではなく、真っ白なホワイトバックスに対して、タンやベージュのものをダーティバックスといいます。
・ブルックス・ブラザーズのシアサッカー ジャケット、ボウタイ、ダーティバックス‥‥アイビー・アイテムです。アイビー世代ではありませんが、ウォークオーバーのダーティバックスを持ってました。
次号1月25日月曜日
by 2021.01.22