・これからのシン・スタンダード100選「100 BASICS」なるムック（世界文化社Bgin特別編集2023年3月発行）を見つけたのでパラパラと読んでみました。キャッチに＂モノ選びのエキスパートが選んだこれからの時代に必要なもの＂とあります。

・定番本といえば、婦人画報社（現ハースト婦人画報社）の「男の定番事典」メンズクラブ特別編集（1987年発行）というのが昔あって、メンクラ愛読のアイビー達はこれで勉強しました。個人的にはちょっと違うんじゃと思うものもありましたが、誰もが、まあまあ認めるものが選ばれてました。

・シン・スタンダードはどうかというと、選んだ人間の極めて個人的なセレクトで、新旧織り交ぜたオールドとニューカマーが混在して、なにが狙いなのかよくわかりません。とても＂これからの時代に必要なもの＂じゃないですね。

・デジタルカメラはライカMデジタルが選ばれていますが、誰が考えてもスタンダードはキヤノンかニコンだろうし、コンパクトなハーフサイズのオリンパス・ペンF（持ってますが）も出てきますが、今も使えるフィルムカメラならライカマウントのミノルタCLEの方がリアルです。

・車もルノーのカングー2002年（？）がなぜか選ばれてたり、販売終了しているホンダS660とかわけがわかりません。

・自転車では軽量折り畳みのモールトンが選ばれていて、たしかに名車ではありますが、ミニベロの定番は同じ英国のブロンプトンで、今年オールチタンモデル（100万円を超す）が登場と、進化を続けていて、明らかにこっちが＂シン＂です。

・‥‥と、ツッコミどころ満載で、今の編集者は大変だなあと同情します。ほぼほぼ誰もが納得する＂スタンダード＂は選べるとは思いますが、それでももはや好みや価値観が多様化して、定番とかスタンダードとか成り立たないのではないかと薄っすら感じています。

次号2月24日金曜日