カテゴリ:野遊び メディア
生き物オタク向け図鑑があります
・文一総合出版という出版社があります。主に自然関係の図鑑を出しているのですが、素晴らしいのは、どれも徹底的にテーマを絞り込んでいることです。図鑑といえば昆虫とか恐竜とかがメジャーで、学研や小学館などの老舗出版社はこれらを大量販売していますが、文一の図鑑はかなりマニアックでどれも自然系オタク向けです。
・偶然ですが大型図鑑を2冊所有しています。カエル写真の第一人者・前田憲男&松井正文共著、日本産全43種が原寸で載っている「日本カエル図鑑」で、日本固有種カエルファンには欠かせない図鑑です。26500円。
・もう一つは日本産の水草を網羅した「日本水草図鑑」で神戸大学の角野康郎著。オールカラー、15750円。アクアリウム用の熱帯水草図鑑はたくさんありますが、これが出るまで北隆館の大滝末男著「日本水生植物図鑑」が唯一の水草図鑑でした(ただしモノクロ)。滅びゆく日本の水草(稲は水草です)を調べようとしたら、これらが必要です。
・でも面白いのはさらに細分化したハンドブックシリーズです。例えばこんなのが出ています。「サクラ・ハンドブック(以下すべてハンドブックが付く)」とか「カモ」、「ベリー(木イチゴなど)」というわかりやすいものもありますが、「虫の卵」「虫こぶ」「朽木にあつまる虫」「樹液に集まる昆虫」「イモムシ」「野鳥の羽」「ワシタカ類飛翔」「淡水産エビ・カニ」「身近な野草の芽生え」「カエデ識別」という具合。どうです、すべて図鑑、細かいでしょう。いずれも新書版80ページ前後で1200円から1400円という値段です。
・絞られているので、パラパラとめくっていけば知りたい虫や草を見つけられます。何という科か、双子葉か単子葉かなんてことをわからなくてもいいです。大くくりの図鑑だと探すのは大変です。ネットでは名前を知らないと探せませんしね。興味を持った生き物は、文一のピンポイント図鑑です。大量に売れるとは思いませんが、作り続けて欲しいです。自然系オタクは応援しましょう。
・雑誌も個性的で、年4回季刊「このは」の最新号(3月25日発売)、特集は「ユニークな日本の生きもの」。変り種といえば熱帯産ばかり紹介されますが、日本にもヘンなのがいるぞ、という企画です。
・昆虫はアップにするとみな怪物になります。
・雑誌形式なのでこんな写真も載せています。生きもの好きの自然ガイドというキャッチがついていますが、平凡社の「アニマ」なきあと唯一のマガジンであります。AB判114P 1200円+税。このあとの特集は、6月「森と海をつなぐ川の住人」(鮎や鮭のことでしょうか)9月「ニッポンの美しい紅葉」12月「冬の鳥がわかる」(いずれも仮題)。
次号4月5日金曜日
by 2013.04.01