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著名人の高齢本は参考にならない
・運転免許更新のため、認知機能検査と高齢者講習を受けてきました。メディアは高齢者の踏み間違いや逆走を盛んに取り上げますが、データによれば高齢者の事故率は他の年代に比べて特に高くはなく、70歳以上では増えていきますが、25歳以下の若者の方が多いです。
・運転能力の個人差は年齢を問わず同じといい、高齢者事故が突出しないのは"慎重な運転"が多くなり、なおかつ他人を傷つけない自損事故が多いからだそうです。
・そんなこんなを主張しているのは精神科医の和田秀樹さん。"免許返納も早まるな"といっています。その和田さんの最新刊「老いるが勝ち」を読んでみました。このような高齢者向けの啓発本は基本読まないのですが、データで語る、今ふうに言えばエビデンス主義なので他と少々違います。
・多くの高齢本は"恋をしろ、好奇心を持て、人とのコミュニケーションが大切"やら、反対に"何もするな、わがままでいい"とか要はどうでもいいといっているに等しいです。著名人は周りが放って置かないので、放って置かれている一般人には参考になりません。高齢向けの提言は「風邪引くな、転ぶな、義理欠け、恥を欠け」に尽きます。
・この文春新書「老いるが勝ち」で面白かった点をいくつか挙げてみます。
"医療に関わらない方が人は長生きできる→コロナで医者に行くのを控えたら死亡者数が前年減(2020年)"
"偏差値の低い私立大学の方が腕のいい医者が多い→偏差値の高い大学ほど臨床を軽視する"
"高齢者の新しい区分→65歳~74歳高齢者予備群、75歳~89歳高齢者、90歳以上超高齢者(日本老年医学会)これで日本は高齢者が半減する"
"65歳以上が免許返納すると要介護者が2.16倍、ボケる人が増えて社会保障費増大"
・ただ、コレステロールのやや高めな人が一番長生きしている、コレステロールは心臓に良くないが、ガンになりにくくするので値に神経質になるなとか、血圧の数値を薬で下げても5%の人は脳卒中になるから‥‥とか言われてもかかっている医者を無視することもできず、どうしていいのか素人にはわかりません。
・なおA Iに日本での高齢者運転の問題点を聞いたら「日本は欧米と異なり高齢者が薬を多用することで、運転能力が低下している懸念がある」という答えが返ってきました。これは「医者が無駄な薬を出すから医療費が膨大になる」といっている和田先生が正しいのかも。
次号9月13日金曜日
by 2024.09.09