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脳の使い方が他民族と違う日本

・楳図さんと養老さんの対談という新刊を書店で見つけたので、思わず手にしました。楳図さんはビッグコミックで担当したことがあり、養老さんは子供達に虫取りをさせるという会で協力してもらいました。
・脳化社会とか唯脳論は養老孟司さんが長く唱えている問題提起で、人間の"脳"が作り上げた社会や都市、法律やらなにやらに偏りすぎている‥‥というのがテーマ。例えばTVのクイズ番組のように、必ず答えがあると思っている現代人への警告でもあります。自然からどんどん離れて行っているけれども、人間は自然そのものなので、そこに矛盾が生じると。
・そう簡単に理解できる話ではないのですが、漫画家の楳図かずおさんの素朴な疑問、質問で面白く優しく読むことができます。中で面白かったのは唯脳論とは離れますが、"日本人の脳の使い方"。
・第4章の2番目「日本語は脳の2ヶ所を使って読む」です。日本語は世界でも稀有な言語で、欧米をはじめ中国でもどこでもひとつの記号にひとつの音が対応しているのに日本人は漢字を何種類もの読み方をする。例えば"重"という漢字、重複(チョウふく)、重大(ジュウだい)、重ねる(カサねる)、重い(オモい)といくつもの読み方がある。中国語でもハングルでも読みはひとつしかない。
・ここからは個人的な感想ですが、日本の文化の特異性はこの辺にあるのではと思います。侘び寂び、俳句、漫画にはじまり、自然観も欧米人とは大きく違うと前から考えています。イギリス人の動植物への名前の付け方は、人間目線、あるいは人間本位です。人間は地上に住んでいるので、水中のモノはなんでも地上の似た者にウォーターを付けてすませています。その点日本人は"自然と人間"は同じ位置なので様々工夫しています。ミズスマシやミズカマキリなんてのがありますが。
・「やさしい『唯脳論』」養老孟司 楳図かずお 実業之日本社刊。随所に楳図さんのイラスト漫画が入っていて楽しいです。
次号2月23日月曜日
by 2026.02.20

