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脳にだまされてはいけないという話
・「転石苔むさず」という言葉があります。英語ではA rolling stone gathers no moss. 日本では"一つのことを長く続けることがよい"という意味に使いますが、アメリカではいい意味に捉えて"多くのことに挑戦するのはよい"という風に使うそうです(イギリスでも"腰の落ち着かないものは大成しない"というそうなので、アメリカン・ドリームの国は特殊です)。
・アメリカ人と日本人にはそんな遺伝子の違いがあるという話が、脳科学者の中野信子・著 ベスト新書・KKベストセラーズ 「脳はどこまでコントロールできるか?」にでてきます。最近よくテレビに出演する脳科学者ですが、日本人はサッカー競技に向いていないということを話していて少々興味がありました(脳科学的には圧倒的に南米人種が合っているらしい)。
・日本人はセロトニンの分泌量が少なく、リスクを控え調和を尊ぶという世界の中でも特異な人種らしいです(サッカー選手の本田圭佑は真逆ですから個人差があるんでしょう)。だから誉めて伸ばす指導法が向いているのだとか。人間の脳の研究が、今一番ホットな最先端科学なのでなかなか面白い一冊です。
・エッシャーのだまし絵でよくわかるように、我々の脳はパターン化したり見えない部分を勝手に補正したりします。この本を一言でいえば"脳にだまされるな"になります。人間は脳の妄想、錯覚、誤作動で迷走させられていて、これをどうコントロールしたり、利用すればいいのかということらしいです。
・最新の研究によれば、個人の性格や能力は遺伝子で決められているわけではなく、環境や後天的な刺激で変わることや、さらに成熟した大人の脳でも新しい神経細胞が次々と生まれることもわかってきたといいます。最新の脳科学情報から目が離せないです。
次号10月17日金曜日
by 2014.10.13