カテゴリ:メディア
男の作家が描く女性主人公のアクションもの
・スティーブン・ハンター&ジェフリー・ディーヴァー絶賛! という惹句で思わず手に取った扶桑社ミステリー文庫の最新刊・マイク・ロースン著「奪還」、面白いです。海外翻訳サスペンス、アクション、ミステリーはほとんど読んでいますが(サイコ&ホラーを除く)、「ミレニアム4」に続いて楽しめる一冊でした。
・話はDEAの女性麻薬捜査官、ケイ・ハミルトンが一人でメキシコの巨大カルテルと戦うサスペンスアクションで、誘拐、謀略、銃撃戦、さらにヘリコプターや海上戦闘まであり一気に読めます。
・男が描く女性主人公って、ドライで痛快です。故ロバート・B・パーカーのサニー・ランドルシリーズも良かったです。その点女性作家が女性アクションキャラを描くと、男と女の心象風景表現が粘液質でウエットになり、ハードボイルドになりません。
・女性作家でもアガサ・クリスティーや初期のパトリシア・コーンウエル(最近は夫との関係表現が多すぎて気色悪い)では感じたことがないのですが、読む方が女性だと逆の感想になるんでしょうね。
・そんなわけで海外翻訳で大量に出版されている、たぶん女性向けの「ミステリーの女王が描く系」の作品には手が出ません。
・このケイ・ハミルトンものは続編が向こうでは出ていて、翻訳出版が楽しみです。
次号1月11日月曜日
by 2016.01.08