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グッドデザインでくくった旅のガイドブック
・旅の情報は、今やネットになります。インスタやツイッターで気になる風景や場所をチェックすると思いますが、ピンポイントはそれでいいとして、周辺となるといわゆる一般的な観光ガイドになります。
・これに背を向けたユニークな、あるいは地味なガイドブックがあります。d design teavelというムック形式の本で、出続けているところをみるとそれなりに需要があるのでしょう。
・その編集スタイルは、「デザインがキーワードの旅ガイド」というもので、本の冒頭に「デザインの目線が重要」とある通り、一般的な観光名所・旧跡、レストランやホテル、土産物店は登場しません。
・「みる」ものは美術館やギャラリー、工芸が多くなり、「食べる」は小洒落たレストランやカフェ、「泊まる」は個性的なプチホテル、土産物はデザイン系ショップが多くなります。
・北海道とか沖縄、京都、奈良をはじめとして県別に現在まで23冊、47都道府県の半分まで届いています。
・最新刊の岩手をみると、一関市の有名ジャズ喫茶カウントベイシー、蔵元レストラン・せきのいちなどはいいとして、盛岡の「わんこ」ではない通好みの蕎麦屋や山菜専門店とかは触れられず、さらに平泉はパスしていいと思いますが、デザイン的には毛越寺はやってもいいのではとか個人的には思いますが、まあそれは取材者の好みの問題なので仕方ありません。
・なお取材スタンスは自費で利用し、感動したものを自分の言葉で書き、写真は誇張しないとかとか、本来あるべき編集の基本を掲げています。
・ただ、読者には不親切です。写真に抜き文字で読みにくいとか、写真にキャプションがないとか(わかりにくいです。本文中にも表記なし)この手のデザイン重視の印刷にはよくあるレイアウトですが、なぜかわかりません。ユーザーからお金を貰わないパンフレットやポスターならいいのですが。
・今までの観光ガイドに飽きた人には、店頭でパラパラみる価値ありです。どこにも置いてあるわけでなく、ジュンク堂などの大型書店かウェブになります。東京・渋谷のヒカリエ8階には常設の展示場があります。
次号5月24日金曜日
by 2019.05.20