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映画もミステリー小説もアメリカ離れか
・「最強の二人」というフランス映画が話題になっています。ロードショーの後すぐウイークデイに出かけたのですが立ち見というのであきらめました。
・物語は、看護士が居着かない傲慢な下半身不随の大金持ちと、不採用になって失業保険をもらうために来た前科のある青年、生まれも育ちも音楽の趣味も言葉遣いもまったく違う二人が出会い、そして繰り広げるヒューマン・ドラマです。
・破壊と殺人、CGだらけのハリウッド映画にいい加減うんざりしていたので、こういうじっくり見せる映画が人気になって少しいい気分です。
・実話ということですが、はやくもハリウッドがリメイクするといっています。このところ映画も小説もアメリカ製のパワーダウンが激しい。ミステリー小説の世界も、あのスウェーデンの世界的大ベストセラー「ミレニアム」(これもハリウッドがリメイクしました。ハヤカワ・ミステリ文庫)以来、秀作は英語圏以外から続出です。
・デンマークの警察小説「特捜部Q」(ユッシ・エーズラ・オールスンという、馴染みのない作家ですが。早川書房ポケミス)という作品もいままで3冊出ていますが、いずれもなかなか読ませます。
・物語設定は、性格に問題のある警部補とイスラム教徒のシリア人助手、上司を上司と思わない女秘書のチームが、過去の未解決事件を扱う特捜部Q事件簿。というと、どこかで聞いたような話ですが、そう日本のテレビドラマ、水谷 豊「相棒」です。日本のほうが先ですが、まあ真似したわけでもないでしょう。
・世界中でシリーズが700万部も売れたアーナデュル・インドリダソンという作家の、アイスランドを舞台にした「湿地」(東京創元社)もそうですが、北欧の気候や耳慣れない地名、人物名が新鮮で、新しい世界に誘ってくれます。
・競馬ミステリーのディック・フランシス、洒落たハードボイルドのロバート・B・パーカー亡き後、最近のクライブ・カッスラー作品は、ちょっと飽きがているし、ジェフリー・ディーバーの新作も今ひとつだったので、当分、国債の価格もミステリーも北ヨーロッパ諸国に期待でしょうか。
by 2012.09.21