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なんとなく嫌韓嫌中の前に読むべき一冊
・先の戦争、大東亜戦争を我々は今なお引きずっています。東京裁判の評価、侵略の定義、南京虐殺の数、慰安婦・徴用工問題などなどの「歴史認識」が問題になります。
・韓国や中国からいつまでも言われ続けるため、いい加減してもらいたいという気分が高まって、政治家や一部の言論人が「誇りを取り戻そう」と言い出しています(経済大国転落という負の心理的背景がありますが)。
・侵略の定義は定まってないとか、南京事件はなかったとか、アジアを欧米の植民地から解放したとか。
・我々には耳に心地よいのですが、はたして客観的な評価、ファクトはどうなのか・・・と思うので関連本をしばしば読みます。『南京事件を調査せよ』『不死身の特攻兵』『歴史戦と思想戦』などなど。
・この中公新書 大沼保昭 著、聞き手 江川紹子『「歴史認識」とは何か』もその一冊ですが、左右どちらにも傾かず、史実・ファクトを中心に語り、韓国、中国にも異を唱え、良質で、分かりやすく一番読みやすい「歴史認識本」でした。
・人は、所属する組織や仲間(郷土、同窓、政党、宗派)に立ち位置を決めて、判断するものです。いちいち自分で調べ考え判断するのは面倒だし、責任も取らずに済むからです。
・しかし「歴史認識」に関しては、分かりやすい感情的意見に惑わされず、右脳より左脳を使うことが重要です。
・この本で、中国がなぜあれほど靖国参拝を問題にするのかが分かりましたし、戦後処理はドイツが日本より優れているというわけではなく、さらにアフリカ各国が経済発展すると、欧米の植民地責任が発生するかもしれないなど、目から鱗の「歴史認識」を知りました。
・なんとなく嫌韓嫌中になっている人は読んでみるべき一冊です。
次号11月25日月曜日
by 2019.11.21