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謎と不思議が詰まった一冊の図鑑
子供の頃からドングリやヒシ、クルミなどの木の実が好きで、長じても日常食べるマカダミア、アーモンド、ナツメッグ、ヘーゼルナッツ(ハシバミ)などの殻付きをつい買ってしまいます。さらに蚤の市でストーンナッツという、数珠玉として使われていた石のように硬い木の実に遭遇して興味はワールドワイドになりました。
この世界の木の実を集めて販売している店(本来はジャム屋さん)が軽井沢にあって、時々東京でフェアをします。そこで手に入れたハンバーガー・ビーンズ(ハンバーガーそっくり)、象牙椰子(白く硬くツルツルでプラスチックの替わりに使ったという)、オキナワウラジロガシ(日本最大のドングリ。こんなのが落ちてきたら怪我をします。ハブの棲む湿地にあるので採集には行けません)などなどを眺めると、進化の妙に感心し、想像力をかきたてられます。その小林商会の小林智洋氏が図鑑を出版しました(共著)。
高さが5cmもある熱帯アジアの巨大なドングリから、装飾品に使われた真紅のナンバンアカアズキ、エメラルドブルーのタビビトノキ、大きなプロペラ付きのフタバガキ、ジャックと豆の木を想像させるモダマ(日本では沖縄に生える世界最大級のサヤマメ)などが集まった興味深い一冊です。『世界のふしぎな木の実図鑑』創元社 B5変型 176P 3000円。
小林商会の木の実サイト http://jamkobayashi.com/?mode=cate&cbid=153285&csid=0
次号12月28日月曜日
by 2020.12.25