クールシニアのウェブマガジン

毎週月・金曜日発行

クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:メディア 

この本が素早く黒字化する方法

・経済ニュースで、AIの文字を見ない日はありません。丸紅と出版3社が組んで、AIで無駄のない配本を目指す新会社を設立するという記事がありました。

・これ多分、人気作の売り損じを減らすことはできても、日々書店店頭に並ぶ新刊の売り上げ率をアップすることはできないでしょう。AIに仕事をさせるには、ビッグデータが必要です。

 

・この場合、それは読者データですが、出版社も取次も書店も持っていません。一番持っているのはAmazonです。しかしAmazonも購入履歴からの提案ぐらいで、Amazonの戦略はあの有名なロングテール・マーケティングです。つまりベストセラーより年に数十冊しか売れないような本の積み重ねが、売上の60%を占めるという理論。ウェブ在庫だからこそ可能なビジネスモデルです。

 

・Amazonは何年でも待っていればいいのですが、出版社はそうはいきません。この「クモの巣ハンドブック」のような本の採算が短期間で取れるようなシステム作りが、本来多品種少量が得意な出版には必要です。世界中のクモに興味のある、研究者、学者から虫好きの子供から大人までに情報が届けば、可能になります。

 

・読者データベースは、過去の購読履歴だけでは足りません。読者に参加してもらい、読者が興味のある、あるいは読者が欲しがる情報を蓄積する必要があります。1読者と1書籍のマッチング、出版業界はこれに手をつけるべきです(カテゴリー別からのスタートがいいです)。

 

・この先がAIの出番で、生産、流通が最適化されれば、無駄が少なくなります。出版に限らずあらゆる業種でこの最適化が進めば、見込み生産をせずに済み、廃棄食料もゴミも減るはずです。まさに最大化の20世紀から最適化の21世紀へ。

次号5月31日月曜日

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