クールシニアのウェブマガジン

毎週月・金曜日発行

クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:メディア 

自然から遠ざかった現代人の問題

・コロナ以前から最近の日本人は抗菌、抗臭、消毒、清潔に一生懸命で、カやハエ、ゴキブリはもちろん、ダニもカビも一切撲滅しようとしています。

・都会では、マンションに住み、ビルに仕事に行く。その家は閉め切られていてエアコンがあり、外部をシャットアウト。花粉や菌も空気清浄機できれいにするのが流行りです。

 

・こんな生活をする人類を、ホモ・インドアラス「屋内人」と称したのは、ロブ・ダンという生態学博士で、最新刊「家は生態系」によれば、身の回りの生物多様性が減少したために、新たな問題が発生していると警鐘を鳴らしています。

 

・「家は生態系」というタイトルにあるように、床や寝具、じゅうたんに限らず、冷凍庫にもオーブン、シャワーヘッドにも生物が棲息し、その数20万種以上。ウイルスから細菌、真菌(カビ)、ダニ、クモ、チョウバエ、カ、ハエ、ゴキブリなどなど。

 

・しかし、人間に危険なウイルスや細菌はせいぜい100種ぐらいで、清潔にし過ぎて有益な生物まで殺すような、ヒステリックな抗菌生活を続けると、新たな病気に罹患する‥‥と博士は指摘します。

・環境微生物に接していないと免疫力が落ち、アレルギー性疾患、喘息、多発性硬化症、小腸、大腸などの消化器官が壊れるクローン病などの発症率が高くなると、調査データが示しているそうです。

 

・悪いウイルスや病原菌を遠ざけながら、生物多様性を取り戻し、いかに免疫力を高めるか。ペットは雑菌の宝庫なので、免疫力アップに役立つといいます。データによれば犬を飼う人はアトピー性皮膚炎が少ないそうです。

 

・自らを振り返ってみると、カビやダニ、ゴキブリは駆除しますが、小さなハエトリグモは放置(ダニを駆除してくれる)、下水管から出てくるチョウバエもあまり気にしません。たまに裸足で土の上を歩きます。花を切って部屋に飾ると、アブラムシや小アリがついてきます。

・さらに最近手に入れたミラブルシャワーで、シャンプーを減らし、皮膚にある常在菌を残すようにしています。

 

・そんなこんな、前から薄々気がついて気になっていた「環境微生物と免疫力」について納得した書籍でした。身の回り、家の中の生態系について研究した初めての本です。白楊社刊  424P 四六判上製 2700円。

次号6月18日金曜日

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