クールシニアのウェブマガジン

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:メディア 

アメリカも日本も似たようなもの

・ジョンズ・ホプキンズ大学とかメリーランド大学から、コロナに関するアンケートが来ます。体調、マスクの使用、ワクチン接種などを、今まで4回ほど答えました。

 

・日本の大学や研究機関からSNSやメールが届いたことがありませんが、データ集めとかやってるんでしょうか? 政治家も医師会トップも言行不一致、リーダーの弱いメッセージ力、役所は給付金、補填の遅れ、PCR検査の不備、ワクチン接種の混乱と遅滞‥‥。

 

・大丈夫か、我が国は? と誰もが感じていますが、そんな中、アメリカにおけるコロナ対策の混乱と顛末を描いたドキュメンタリー「最悪の予感」マイケル・ルイス著  早川書房を読みました。

 

・まず学者が書いたものと違って、最前線のコロナ対策関係者の物語を通して、失敗、成功、裏切り、妬みなどなど、わかりやすいエピソードに引き込まれます。権威を振りかざす無能な上司をやり込める痛快さとか、さすがノンフィクションのベストセラー作家だけあります。

 

・登場人物は、疫病の拡がりに興味を持った少女と数理学者の父、カリフォルニア州サンタバーバラ郡の保健衛生官、退役軍人省保健局の変わり者(米最大の病院チェーンは退役軍人病院)、ホワイトハウスに呼ばれた医者、ウイルスを特定する解析装置を作った民間研究室などなどで、このグループがコロナ対策で重要な役割を果たしたといいます。

 

・本来メインで仕切るはずのCDC(米国疾病対策センター)は対策リーダーの役目を果たさず、現場の声を退け続けます。理由の一つは、この時のCDCトップは政府が選んだ人物で、それまでの仲間の推薦で選ばれた独立機関ではなかったそうです。「コロナをパンデミックにするな。経済が停滞し混乱する」とトランプに怒鳴られたらしいです。中国に気を使ったWHOも同じ政治案件にしました。

・結果、2021年6月時点でアメリカの死者は60万人という悲惨な状況をもたらしました。アメリカより被害の少ない日本はマシかもしれませんが、混乱は似た様なものです。

 

・安倍元首相が日本版CDCを作れと言ったそうですが、独立した機関でないと国民を裏切ります。学術会議メンバー任命も同じことです。学問、科学に政治が介入するとどうなるかは明らかです。

 

・重要な役割を果たしたカリフォルニア州の保健衛生官であるチャリティ・ディーンは「アメリカ文化の観点から、感染予防を"ビジネス"にし、国家から独立して治安を守りたい」と新会社を設立します。彼女の座右の銘は「一番後悔するのは、やったことや言ったことではなく、やらなかったこと」。

 

・日本にもこういう人物はいると思います。ただ、体制の中にこうした能力を認める度量のある人物とか資金を出す投資家がいるかというと、この点ばかりは、アメリカに見劣りする気がします。

 

・なお原題はPREMONITIONで、予兆とか予感。既に最悪になった現在の最大限の対応に加えて、次のパンデミックに備えたワクチン開発、特にデータ集めを今のうちにしておくべきでしょう。

次号8月23日月曜日

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