カテゴリ:ミュージック
久々の摩訶不思議音楽との遭遇
・久しぶりに不思議なサウンドに出会いました。何々ジャンルと簡単にくくれないアルバムです。80年代のサントリーのCMに使われたマーク・ゴールデンバーグの「鞄を持った男」以来かも知れません。
・超絶技巧のマンドリン弾きのクリス・シーリーを中心とした、フィドル(バイオリン)、バンジョー、ギター、ベースの5人組からなるパンチ・ブラザーズが生み出す実験的試みのアコースティックアルバム「The Phosphorescent Blues」(来日記念アルバム、ワーナーミュージック・ジャパン)。
・シンセサイザーやコンピューターを使った電子楽器なら驚かないのですが、上記の構成からわかるようにアコースティック楽器だけ、いわゆるアメリカの伝統音楽ブルーグラスの編成で、今までにないサウンド、メロディーを表現しています。
・この8月に初来日して演奏しましたが、普通なら銀座のロッキートップか曙橋のバックインタウンでやるところを、ブルーノート東京にしたのもわかる気がします。
・説明しようがないのでYouTubeなどで聞いてもらうしかないのですが、ライナーノーツによれば、ジャズ、クラシック、ロックそれにマウンテンミュージックのブルーグラスが混じっているんだそうです。たしかに最後の方のトラック13、14は2ビートのブルーグラスサウンドで「あ、これはわかる」といいたくなります。言い換えると、楽器編成からブルーグラスを期待するとがっかりします。
・タイトルの「燐光ブルース」は、現代を象徴するスマートフォンの待ち受け画面の明かりをモチーフにしているのだとか(アルバムの裏面がそれ。表はシュールレアリスムの巨匠ルネ・マグリットの絵。うーん、こっちも摩訶不思議)。
次号8月29日月曜日
by 2016.08.26