カテゴリ:野遊び メディア
異才・伊東忠太が帝都に造ったガーゴイル
・お化けの季節です。調布の水木プロに通ったことがありますが、原稿を貰いに行くと、しばしば2階の妖怪コレクションを見せてくれました。妖怪といえば、水木しげるさんも建築界の異才・伊東忠太の建物に据えられた怪物を調べたと思います。
・その伊東忠太の特集が、今発売中のサライ7月号に掲載されています(奇想建築を歩く・伊東忠太を訪ねる)。忠太が造った建築物には様々な場所に怪物がいます。屋根の上から睨みつけている幻獣は、西洋のガーゴイルのようです。ロンドンのウェストミンスター寺院やパリのノートルダム寺院の屋根に乗っているあれです。
・日本の鬼瓦や沖縄のシーサーも魔除けなので同じですが、木造建築からコンクリート造りへの転換を考えた忠太らしく和洋折衷で、どれも見たことのない洋風な怪物で面白いです。
・そのガーゴイル、聖獣、霊獣、幻獣を見つけに、都心にある築地本願寺、湯島聖堂、東京慰霊堂を歩いてきました。「ぽけかる」という人気の日帰りの小旅行ツアーがありますが、「伊東忠太の幻獣巡り」をやって欲しいです(一般には非公開の場所もありますから)。
・インド様式を取り入れた外容を誇る築地本願寺。階段入り口にあるのが羽がついた空想上のライオン。古代インドの仏を守る守護獣といわれ、狛犬のルーツとか。
・2階の階段手すりにある伊東忠太作の彫刻(タイトルはグロテスク)。2階本堂入って右に「築地本願寺に住む動物たち」というパネルがあります。いたるところに象、鶏、牛、猿、ライオンがいます。どれも寺院を守る霊獣といわれています。
・お茶の水の湯島聖堂大成殿の屋根で四方を睨みつけている幻獣。これが一番恐ろしくガーゴイルに近い。
・屋根のてっぺんに乗った鯱のような鯨の潮吹きをしているような怪物。
・湯島聖堂内の入徳門にある象の怪獣。
・湯島聖堂内斯文会館屋根にいる大成殿とは異なる羽のついた魔除けの幻獣。
・両国の東京都慰霊堂、各ひさしの先に佇んでいる不思議な鳥。
・東京都慰霊堂内の照明を抱いた怪物。
・東京都慰霊堂隣の東京都復興記念館正面上部にある怪物。バリなどの東南アジアにある魔除けに近い。
次号6月26日金曜日
by 2017.06.23