カテゴリ:季節 野遊び
日本列島亜熱帯化を実感している証拠
・クマゼミが東京で鳴いたりすると「地球温暖化」といいますが、日本は温暖化ではなく亜熱帯化です。もっともクマゼミは、西日本から運んできた樹木の根にくっついてやってきたともいわれるので定着するまでわかりません。
・コンクリートに囲まれた都心はヒートアイランド現象でわかりにくいと思いますが、温度の低い郊外でも亜熱帯化の証拠はあります。
・八王子で東南アジアのガビチョウという鳥が増えているといいますが、もっと身近なところ、虫や野草の世界でも変化を感じます。東京で一番見かける蝶は今やツマグロヒョウモンで、次いでアカボシゴマダラといいます。
・ツマグロは西日本生息、アカボシは台湾や奄美大島生まれといいますから亜熱帯の証拠。ただしツマグロは三色スミレ(食草)と共に北上し、アカボシはマニアの放蝶といいます。問題は冬を越して繁殖していることでしょう。
・あと最近武蔵野でよく見かけるのがキマダラカメムシで、もともと分布は沖縄や台湾。秋になるとサトクダマキモドキという大型のキリギリスの仲間がやって来ますが、これも東南アジア原産です。秋に樹上でうるさいアオマツムシもあっちですね。
・植物でも最近やたらと目に付くのが二つ。一つはインド洋モーリシャス群島のナガエコミカンソウで、小蜜柑というように小さなミカン状の実が付きます。
・もう一つはハゼラン。明治時代にもたらされたといいますが、分布はカリブ海や西アフリカ、メキシコと広く、越冬しない場合は一年草といいますが、多年草化しています。
・身近なところでもヒタヒタと外来種による国際化と亜熱帯化、それも砂漠のような極端な温度変化(猛暑と厳冬)が迫っているようです。
・モンシロチョウやスジグロチョウより圧倒的に数の多いツマグロヒョウモン(オス)。
・ツマグロヒョウモンのメス。
・ツマグロヒョウモンに次いで多い大型の派手なアカボシゴマダラ。食草がエノキでゴマダラチョウと被ります。
・白一色の春型アカボシゴマダラ。
・増殖中のキマダラカメムシ。東南アジアからの外来種で大型のカメムシです。パクチー臭のアオカメムシが少なくなった気がします。
・サトクダマキモドキが初秋に窓辺にやってきました。目つきが怪しいキリギリスです。昔の図鑑では四国、九州に分布とあります。
・ナガエコミカンソウ。別名ブラジルコミカンソウ。これも一年草ではなく越冬して同じ場所から芽が出る多年草になっています。ほっとくと、だらけになります。
・ハゼラン。ピンクの小さな花が線香花火のように咲きます。種子が爆ぜて飛ぶのでハゼランとか。また午後3時頃咲くので三時草ともいわれますが、スベリヒユの仲間でセイロンほうれん草の名もあり食べられるそうです。
次号8月25日金曜日
by 2017.08.21