カテゴリ:野遊び
子育ては行儀の良い子か、思いやりのある子か
・観賞用のメダカがブームです。養殖業者が年収1500万円以上、中には6000万円というサクセスストーリーもあるので、まだまだ増えそうです。
・昔は黒メダカと緋メダカの2種しかなかったのですが、今や白、青、マリンブルー、シルバー、楊貴妃とか様々。珍しい色が出ればペアで10万円の値がつくといいます。
・品種改良で、青くなるよう白くなるように収斂させていくのですが、こういう意図的な均質化は弱さも内包します。
・デパートのペットショップで、一匹緋メダカ100円、黒メダカ120円、白メダカ180円、青メダカ380円。睡蓮鉢でシニアにもよく見える白メダカと緋メダカを購入しました。
・早稲田大教授の豊永郁子氏が、新聞でこんなことを述べていました。「違いを嫌う権威主義者がトランプを支持した。決して貧困や保守主義からではない。そしてトランプ大統領が権威主義を活性化させた」。
・権威主義者は個人の考えより集団の考えに従うのだといいます。面白いのは権威主義者の見分け方。どういう子供に育って欲しいかを問うた時、権威主義者は“行儀の良さ”を求め、リベラル(自由主義者)は“思いやり”と答えるのだそうです。
・多様性が苦手で、同じであることを求め、規律を全体に行き渡らせてくれるリーダーが好き・・・は、たしかに白人至上主義のトランプの支持者たちと言えます。
・この権威主義を同属主義に置き換えるともう少し身近になります。同邦(同じ国)、同窓(同じ学校)、同郷(同じ出身地)という同属に価値の基準を置く、あるいは従いがちになる、そして親しみを持つ気持ちということでしょうか。
・あの韓国でベストセラーになったという「反日種族主義」の種族主義も同じ意味合いですね。このトランプ支持者たちのことを笑ってばかりいられません。私たちの中にも潜んでいるからです。
・ただし、こういう同属化したまとまりは、心地よく楽な反面、力が内に向かい、進歩発展、イノベーションを妨げます。結果、変化に弱く耐性に劣ります。それは生命進化の歴史で我々が学んだことです。
・さて購入した品種改良の白メダカは、餌もよく食べ1か月ほど元気に泳いでいたのですが、やがて死滅しました。通常メダカは1~2年の寿命といいますが、ペットショップから庭の睡蓮鉢への環境変化に耐えられなかったのか、この夏の猛暑に負けたのかはわかりませんが、種の固定歴の長い緋メダカと在来種の黒メダカは生きています。
次号8月30日金曜日
by 2019.08.26