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毎夏、傑作海外ミステリーが揃う
・夏の時期に海外ミステリーの秀作が3冊揃うので、毎年楽しみにしています。去年はマイクル・コナリーの「ハリー・ボッシュ」シリーズ、C. J. ボックスの猟区管理官「ジョー・ピケット」もの、そしてリー・チャイルドの元憲兵隊中佐「ジャック・リーチャー」が、6、7、8月に出ました。
・ところが今年はマイクル・コナリーが9月13日になり、ボッシュではなくリンカーン弁護士シリーズです。この代わりに読んだのが6月発売のダニエル・シルヴァ著「償いのフェルメール」全米ベストセラー。元モサド長官のガブリエル・アロンが活躍するスパイもの。この主人公は美術修復師でもあり、美術情報も楽しみの一つです。
・同じく6月発売のC. J. ボックス「暁の報復」は前回の続編という感じで前作の「熱砂の果て」を読んでないと盛り上がりに欠けます。続いて8月発売のリー・チャイルド「副大統領暗殺」はJ. リーチャーと元憲兵隊の優秀な部下、ニーグリー(女性)が暗殺者と渡り合い、これはなかなかの出来。
・なおハリー・ボッシュシリーズはAmazon prime、J. リーチャーものはNetflixでシリーズドラマ化されていて見応えがあります。中でもシーズン2の「消えた戦友」は傑作です。シーズン3は「宿敵」だそうで、これも期待できます。
・以上の4著者の中で、エンターテインメント小説としてはリー・チャイルドが頭一つ抜けている気がします。69歳なのでまだまだ書けます。まだ十冊以上未翻訳があるのですが、なぜか順番がランダムで最新翻訳の「副大統領暗殺」は2002年の作品です。まあ主人公のリーチャーは、携帯電話もパソコンも、免許証、パスポート、クレジットカードも持ってないので違和感はありませんが。冒頭でリーチャーを探すのに苦労する捜査官の話が出てきますが、無理もありません、持っているのは社会保障番号カードと歯ブラシ1本だけなんで。
次号8月30日金曜日
by 2024.08.26