クールシニアのウェブマガジン

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クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:季節 

鉄道草と呼ばれるわけ

 近所の教会跡地に背の高い雑草が群生しています。これ、子供の頃「鉄道草」と言っていたものみたいです。最近の線路はコンクリートですが、昔は枕木を砕石で硬めそれに線路を載せていたので線路脇は荒れ地になっていていろんな草が生えていました。葉と茎を持ち帰って図鑑で調べてみると、鉄道草ことヒメムカシヨモギではなく、よく似たオオアレチノギクのようです。しかし図鑑にある写真(個体差があります)や文字(一般向けの図鑑でも専門用語が多く、だれに向けて作っているのか不思議)でも違いがわかりません。そこでヒメムカシヨモギ探しに出かけました。

 中央線線路脇に生えるヒメムカシヨモギ。富士に月見草が似合うように鉄道には鉄道草です。まだ50センチぐらいで花芽はついていません。北アメリカ原産で明治のはじめに入ってきたことから明治草、世代わり草、官軍草、御維新草とかいろんな名前がついています。時の明治政府が鉄道敷設に力を入れ、その線路に沿ってこの草が広がっていったので鉄道草といわれるようになったということです。オオアレチノギク(こっちは南アメリカ原産で昭和初期の帰化)の方が成長が早いようで、教会跡では2メートル近くに成長し花が咲いています。

 図鑑には葉の形、茎の毛でわかると書いてありますが、左オオアレチノギク、右ヒメムカシヨモギなのですが、ほとんど同じです。唯一役に立ったのは保育社の検索入門野草図鑑(長田武正、喜美子夫妻著)の「オオアレチノギクは緑色が濃く葉や茎の毛が多く、葉の脇から脇芽がのびて葉をつける」でした。

 同じ場所に生えていた左オオアレチノギクと右ヒメムカシヨモギ。ヒメムカシヨモギの英語名はCanadian Fleabaneですが、Fleabaneはノミの駆除の意味でこの草をノミよけに使えるのでしょうか。同じムカシヨモギ属のヒメジョオンもDaisy Fleabaneですね。ところで、写真の後方にエノコログサ、猫じゃらしが唯一国産でがんばっていますが、空き地はヒメムカシヨモギもオオアレチノギクもハルジオンもヒメジョオンもすべて外来種に占拠されています。まあ、わたしたちも着物に下駄じゃなくTシャツにジーンズ、スニーカーになっちゃってますから仕方ないかもしれません。

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