クールシニアのウェブマガジン

毎週月・金曜日発行

クールは「カッコイイ」ですが、背筋をのばして歩く60+シニアの情報を集めます。

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エディター

中村 滋 Shigeru Nakamura

BE-PAL、DIME、サライなどライフスタイル雑誌を創刊。

カテゴリ:文房具 メディア 

競馬で牝馬をひんばと読みますが牡馬は?

・来年、広辞苑が10年ぶりの改訂とかで、「スマホ」とか「萌え」とかが載るということですが、これをニュースにするというのは、なんか時代とズレてませんか。辞典編集部の担当役員をした経験から言うと、辞典編集者は紙の辞典を作りたがります。気持ちは120%わかりますが、重くかさばる印刷した辞典や事典(ことてんと呼びます。百科事典ですね)を必要としている人はどれほどいるのでしょうか。

・言葉を収集する資料としての辞典は必要で、いつどのように生まれ定着したかを記録していく必要はあります。日本国語大辞典がそれです。ただし、これは国がやるべき文化事業と言えます。

・しかし誰もが日々使う辞書となれば、もはやデジタルです。印刷物の場合、何を載せるかが改訂の要件になりますが、今や使われているものはどんどん載せるべきで、一辞典が言葉の評価と定着を決めるべきではないと思います。

・新しい言葉や英語の略号などを引いて調べるのが辞書の役割ですから、もはやフローが当たり前。スマートフォンや電子機器のように、データベースは随時バージョンアップしていく必要があります。

・漢字が知りたければ、今や入力して変換すればいいのですが、紙の辞書にできないことがデジタルではできます。競馬でメスの馬を牝馬(ひんば)といいますが、ではオスの馬である「牡馬」はどう読むのか。漢和辞典をひっくり返して、偏、部首、画数などを調べなければなりませんが、検索エンジンで、「牛へんに土」と入れるだけで読みが「ぼば」とすぐ出てきます。

・スマホを使えない高齢者は電子辞書を使う手があり、カシオ、シャープ、キヤノンがまだ作っています。しかし、「牛へんに土」はできませんし(スタイラスペンで書く方法がありますが)、随時更新はできません。

・ではスマホやタブレットですべて済むのかというと、そういうわけではありません。字を書き、メモを取り、文を認める(認の読み方、と検索するとしたためると出ます)という行為は意味があります。

・頭に浮かんだ事柄を、辞書で漢字を調べ紙に記すことは、想像力や創造力の覚醒に重要で、小学生までは紙の辞書で調べ、付箋を付けアンダーラインを引いて‥‥が大切です。

・一方大人やシニアは脳を活性化させます。ペンやメモのアナログ筆記具が売れ続ける理由はここにあります。IT時代こそペンで筆記です。

・というわけで、どこでも貼り付けてちょっとメモを取るテープノフセンです。

・ヤマト株式会社のテープノフセン。幅25mmの旧モデルより使いやすくなりました。2017年のグッドデザインです。全面粘着剤付きで貼ってはがせます。カッター付きなので好みの長さで使えます。15mm×10m320円。色は4色。スマートフォンの背面、手帳、日記に貼ったりして使ってます。通常のメモ用紙と違い、鏡やテーブル、壁にもメモが付けられるのがいいです。

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次号1124日金曜日

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