カテゴリ:文房具
「都市鉱山」と「海洋油田」
・石灰岩を主とするプラスチック代替素材・ライメックスを使ったボールペンを紹介したことがありますが(写真下)、最近のトレンドは海洋プラスチックゴミをリサイクルするものです。
・パイロットコーポレーションのスーパーグリップG オーシャンプラスチックという新発売のボールペンがそれ。日本国内の海で回収したゴミをリサイクルした再生樹脂をボーディーに使い、その他の部材もリサイクル材を使用し、再生材使用率74.1%。価格は100円で、0.5と0.7とあります。油性。
https://www.pilot.co.jp/products/pen/ballpen/oil_based/ocean_plastic/
・原材料はアメリカのテラサイクル社製で、収集から製造まで、すべて日本国内でやっているそうです。この海洋ゴミ再生樹脂を使っている商品は他にもあります。
食器洗剤のJOY オーシャンプラスチックもそうです(2019年発売で55万本製造。現在店頭では見かけませんが、ネットで手に入ります)。耐久性保証のため再生プラは25%ですが、P&Gは世界最大の日用品メーカーなので大きな影響力があります。
TRIWA TIME FOR OCEANSというスウェーデン製の腕時計はケースとストラップに使用し、文字盤も波形(ここの海洋再生プラはスイスのタイド オーシャン マテリアルを使用)。
・ 日本人一人当たりのプラ廃棄量は年間32kgで世界第2位といいますが、この何%かが海洋プラゴミ及びマイクロプラスチックになります。金属廃棄物からの「都市鉱山」と海のプラスチックゴミからの「海洋油田」という考え方は、資源のない日本のニューノーマル、新しい常識にするべきでしょう。
次号1月15日金曜日
by 2021.01.11