カテゴリ:ヴィークル
モーターショーで見たかったのはこれ
・2年に一度の開催ですが、わざわざモーターショーに出かけたのはフォルクスワーゲンのXL1が今回展示されていたからです。市販が近づいたこの車、今一番興味があります。
・実は今から十年前の2002年に発表されたL1コンセプト(1リットルで100km走る車開発)からずっと経過をウォッチングしてきました。2009年フランクフルト・ショーでモーターサイクルのような前後タンデム2座、800ccディーゼル2気筒+電動モーター、空力性能はCD0.195、何と総重380kg!で姿を表します。
・次に登場したの2012年カタールのモーターショーで、ここで実用的な普通の2シーターになりました(残念ながら左ハンドルになったということです。小ロット生産なので、右は望めません。タンデムなら日本でもよかったのですが)。いつ発売されるか気になりはじめました。
・そして今回、市販モデルです。カーボンファイバーとアルミ合金を多用して795kg(実用化するといろいろ装備が増えてこうなるのかもしれません)、これを800ccのディーゼル2気筒と電動モーターのハイブリッド48馬力+27馬力で走らせて111.1km/l。性能も0-100km/hに11.9秒、最高速160km/hとじゅうぶんです。さらに向上した驚異の空力性能CD0.186が効いています。高速代を別にすれば東京から大阪まで650円で行けます。
・ハイブリッドのプリウスは1997年市販ですから実用化は早かったのですが、夢を売る車ではなくエコカーでした。VWのようなウルトラライト、空力、電子制御小排気量エンジンで究極の車を作るというような思想は残念ながら感じられません。
・日本は技術大国で、カーボンファイバー、チタン、LED、リチウムバッテリー、高精細ディスプレー、光触媒塗装、ワイアレス技術、パンクレスタイアとあらゆる最先端デバイスを持っています。
・これらで夢のような陸のスペースシャトルを作って欲しいです(車好きとすれば操縦アシストや衝突安全もいいのですが、それは魅力と別)。ヨーロッパの高級車の後を追いかけるのではなく、日本のプレミアムカーはこれしかないと思うのですが。
・ワクワクするかどうかはデザインも重要。XL1は低くスタイリッシュで合格(リアの処理もカタールのモデルよりよくなりました)。後方はカメラ映像のためサイドミラーがないので車検がどうのとありますが、それこそ規制緩和で世界初をやるべきでしょう。
・ガルウイングは実用的ではないし、乗り降りしにくいのですが、構いません。
・左ハンドルだけの生産になるでしょうね。
・一応トランクもありますがミニマムです。
・これの4ドア版が今回初公開のTwin UP! で、これも市販されそうです。XL1のユニットを使い、1.1リットルで100km走れます。デザインはコンサバですが、4ドアだし実用的です。普通のUP!が150万円を切っていて軽自動車から乗り換える人が多く、人気ということですが3545×1650×1495mm(全長×全幅×全高)というコンパクトなサイズも魅力ということに(車を大きくし過ぎた)日本のメーカーは気づくべきです。国内向けに小さくしたというスバルのレヴォーグも、まだ大きい。
・デザインといえばちょっと期待できるのがヤマハの4輪参入です(2014年以降小型4輪車)。ヤマハはもともとトヨタ2000GTやトヨタのスポーツ用エンジンに参加していたので不思議はないのですが、良いデザイナーがいるので期待します。このMOTIVは2690mm×1480mm×1470mmという試作車で、ベンツのスマートより可愛い。
次号12月6日金曜日
by 2013.12.02